寶園　純一

始まりは京都の仏像との出会いでした。
いつか祈りたくなる様なものを作りたいと言った幼少期の想いからこの道に進みました。

木と対話しながら彫刻を施し、自然の流れにそった形の表現を目指し、
木目に抗うことなく彫刻刀で彫るというよりも、刃物を滑らせるといったイメージで作成しています。
上善如水と言った言葉が好きなこともあり、水の存在を意識した物作りを行なっています。
座禅を組むような瞑想に近い静かな作品作りと、
心が乱れる程の衝動に駆られた作品作りの両方を行う事で穏やかな水面に波紋ができる様なイメージと、
激流の中の切り取られたイメージのものがあります。
自然の中にそのまま存在しているかの様な存在であり、そこに人の手が加わる事で人の心を豊かにしたり、
掌を作り眺めたくなるものを作りたいと思っています。

美しい自然に『人』が携わる事でより美しいものが生まれると思います。
人の心を一番動かす事が出来るのもまた人だと思っています。
祈りをもたらす様な美しいものを作りたいです。