余白を楽しむプロジェクトA Project to Interpret the Unseen

01.Encounter
出会い

曇り空の下、パリの街並みにそびえるドーム屋根の建物を前景に、左奥にはエッフェル塔がかすんで見えるモノクロ写真。 曇り空の下、パリの街並みにそびえるドーム屋根の建物を前景に、左奥にはエッフェル塔がかすんで見えるモノクロ写真。

2016年2月、フランスのパリ郊外で開催された
展示会、Premiere Vision Paris(プルミエールビジョン)。

当時エルメスのデザイナーとして見学していた寺西は、
偶然通りがかったとある紬(つむぎ)の展示の前でふと足を止め、
その静かな美しさに息を呑みました。

一見シンプルな中に表現された繊細な色使いや組み合わせのバランスに心を奪われたのです。
さらには、紬を成す糸そのものが、現代においてもなお人の手によって紡がれていると言う事実に衝撃を受けます。

─ファッションとは全く別の時間軸が、着物の世界には存在する

この時の着物との出会いが
MIZENプロジェクトのスタートにつながるのです。

屋外で紫や青などの細長い染め布が空に向かって張られ、その隙間から曇り空と電線、電柱が見える写真。布の透け感と光が重なり合い、伝統的な染色作業の雰囲気が漂っている。

それから寺西は、長期休暇のたびに日本へ一時帰国をし、産地を訪ねながら各地の織元とのつながりを深めていきます。

そして
最高峰の手仕事が詰まった日本の素材は、ファッションの新たな価値を創り上げることができる”

そう確信をしたのでした。

02.Philosophy
MIZENはファッションブランドではなく
仲間集めのプロジェクト

黒く染料が染み込んだように深く汚れた両手のひらを広げて見せているモノクロ写真。しわや質感が強調され、長年の手仕事の跡が感じられる。 黒く染料が染み込んだように深く汚れた両手のひらを広げて見せているモノクロ写真。しわや質感が強調され、長年の手仕事の跡が感じられる。

現在主流のファッションはデザイナーがピラミッドの頂点に立ち、
技術は彼らの世界観を具現化するための道具となる世界。

一方MIZENが目指すのは、職人とその技術が主役となり、
それらを活かすためのデザインを追求する世界。

年季の入った織り機に向かい、職人が糸を張りながら真剣な表情で作業している様子。腕や指先の動きから細やかな手仕事の集中が伝わる。

物が豊かにあふれる現代。 私たちの身の回りには、いったいどれだけ“作り手の顔が見えるもの”があるでしょうか。

手仕事の背景には、必ず作り手の存在があります。
その価値は、製作に費やされた時間の長さではなく、
作品を通じて“暮らし手”と“作り手”が心でつながり合える豊かさにこそ宿る。

それこそが、これからの時代に求められる
新しい“精神的ラグジュアリー”であると、私たちは考えています。

淡い色から濃紺まで並べられた反物の横に、衣服づくりのための型紙が整然と広げられている作業台の写真。丁寧な裁断前の準備工程が伝わる。

そしてMIZENは、この理念に共感する仲間とともに、
日本発のラグジュアリーを創り上げるプロジェクトとして
2022年4月に始動しました。

03.Vision
Slow Fashion, Slow Luxury

暗い背景の中、職人の手が白い繊維を細く引き出しながら糸にしていく様子を捉えた写真。繊細な指の動きと柔らかな繊維の質感が際立っている。 暗い背景の中、職人の手が白い繊維を細く引き出しながら糸にしていく様子を捉えた写真。繊細な指の動きと柔らかな繊維の質感が際立っている。

MIZENは、目に映る美しさの奥に広がる
産地の風土や歴史、職人の技術、そして生き様といった“余白”こそが
我々の作品の本質的な価値であると考えています。

草木に囲まれた屋外で、職人が泥に浸した布を両手で絞りながら染め作業を行っている様子。衣服や手は泥で汚れ、自然の中で行われる伝統的な手仕事の力強さが伝わる。

現代のファッションは、瞬間的で視覚的な刺激が重視されるがあまり
過度なスピードが求められています。

その加速された消費の世界では、
本来時間をかけて丁寧に仕上げられるべき手仕事
評価の舞台にすら立つことができません。

伝統技術の衰退は、
我々一人ひとりが無自覚に求めている“欲望の速度”によって引き起こされているのです。

だからこそ私たちは、
そのスピードを緩めたときに見えてくる新鮮で豊かな世界を
ファッションを通じて提示したいと考えています。

細い糸が張られた織り機の上で、職人の指が一本一本の糸の位置を丁寧に整えているモノクロの手元写真。糸の緊張感と繊細な作業が強調されている。

日本にはかつて“余白を楽しむ”という価値観が確かに存在していました。
それは、ものの奥に潜む物語や気配を自ら感じ取り、想像し、心を満たす行為であり、
日本人が長い歴史の中で培ってきた美意識でもあります。

私たちは、現代の人々が忘れかけているこの感性を
日本各地に点在する伝統技術とともに再び呼び覚まし、世界へと届けていきたいと考えています。

そして、その余白に自らが気づき、時間を掛けながら埋めていく過程に喜びや幸せを感じられることが
“精神的ラグジュアリー”の在り方だと信じています。

黒い布の上に大小の白い繭が並び、右側の大きな繭は二頭の蚕が一緒に作る玉繭として置かれている写真。繭の表面の細かな繊維がはっきりと写り、質感の違いが際立っている。

MIZENは、余白の中で静かに語られる物語を洋服という形にのせ、
新たなファッション、そしてラグジュアリーの可能性を問い続けていきます。

グラデーションのように紫から青へと色が移ろう羽織を着せたトルソーの上半身。白いシャツに黒いリボンタイを合わせ、上品で落ち着いた雰囲気の装いが強調されている。 グラデーションのように紫から青へと色が移ろう羽織を着せたトルソーの上半身。白いシャツに黒いリボンタイを合わせ、上品で落ち着いた雰囲気の装いが強調されている。

ABOUT US

創設の核となるメンバー

COLLECTION

職人とその技術が主役のコレクション

有松鳴海絞 SUZUSAN

LOCATION

COLLABORATION PARTNERS

日本発ラグジュアリーを創り上げる仲間

ONLINE STORE

MADE-TO-ORDER

型 × テキスタイルの自由な組み合わせで、
自分だけのMIZENを選ぶ。
想いを形にする特別なカスタマイズ体験を。

READY-TO-SHIP

ガラス瓶に藍色や紺、黄色など多彩な柄の細身のネクタイがいくつも掛けられ、幾何学模様や絞り風など異なるデザインが揺れ下がっている。手前のテーブルにも同じ素材のネクタイが広がり、和柄を活かした個性的なネクタイのバリエーションが強調されている。

すぐに受け取れるMIZENのコレクション。
自分のためにも大切な方への贈り物にも、
“今”の一品を。

ふるさと納税

MIZENは、ふるさと納税での取り扱いも。
1月中にオープン予定のMIZEN本店(予約制)で
実物をご覧いただけます。

オープン日は決定次第更新いたします。

グレーのドットで表現された日本地図。MIZENの返礼品がある京都府と石川県が白く光っている。
グレーのドットで表現された日本地図。MIZENの返礼品がある京都府と石川県が白く光っている。

SHOP INFO

  • MIZEN Tokyo Atelier/Store

    黒い背景の中央に、白い文字で「Opening Soon」とだけ表示されたシンプルな告知画像。

    2026年1月オープン予定(完全予約制)

  • MIZEN store in HANEDA international airport

    羽田空港国際線にある MIZEN ストアの明るく開放的な店内外観。白を基調とした空間に曲線的な木製パネルの天井装飾が映え、中央の丸いディスプレイ台や壁面ラックに衣類や工芸品が整然と並んでいる。洗練されたデザインが、上質な日本ブランドを扱う店舗イメージを伝えている。

    東京国際空港(羽田空港)第3ターミナル 110番ゲート付近
    営業時間:7:00〜23:00

  • 牛首紬×MIZEN白山店<加賀乃織座>

    伝統的な和室の前に、青と紺の縞模様が美しい牛首紬の反物と、それで仕立てた衣が掛けられている。背景には木枠の引き戸越しに反物や道具が並び、「その地の物語に耳を傾け 精神で選ぶ 技術が主役となる 日本の服」「牛首紬 × MIZEN 白山店 加賀乃織座」などの文字が配置され、職人技と地域文化を伝えるビジュアルになっている。

    〒920-2167 石川県白山市部入道町卜40番地
    営業日:月〜金 10:00~18:00 【予約制】
    定休日:土日祝(不定休あり)
    電話番号: 076-273-5755
    お問合せ: oriza@ushikubi.co.jp