MIZEN BLUE「勝」SHO いしげ結城紬 x ARLNATA

MIZEN COLLECTION Vo.1 MIZEN BLUE 「勝」~SHO~

MIZEN(ミゼン)は、『人と人とのつながりを感じられることこそがラグジュアリー』という理念のもと、
日本の伝統的技術を担う職人達が主役となるラグジュアリーブランドを築き上げるプロジェクト。

日本の伝統技術を現代のライフスタイルに合った形でデザインし、
日本のみならず全世界へ向けて提案することで、高度な技術を持った職人の地位向上、
そしてその産業の持続可能性を高めていくことを目指しています。

2023年10月は茨城県郷土工芸品であるいしげ結城紬と、元「Hermes」のデザイナーが
高級紬などの反物から洋服をお仕立てするARLNATA〈アルルナータ〉とのコラボレーションをMIZENがプロデュース。
 
プロジェクトのために作成したオリジナル柄、
いしげ結城紬 MIZEN BLUE 「勝」~SHO~「縦絣矢羽根柄」を使用して仕立てた洋服も発表致します。

COLLECTION

JST01

Vネックレイヤードトップ / レディス
V-NECK LAYERD TOP / WOMEN

約38c巾という着物の反物巾を活かしながら前身頃から後身頃まで
一枚接ぎ裁ちされたパターンが大きな特徴です。
Vネックレイヤードトップを象徴するアシンメトリーな
ネックラインとレイヤードの右側に施された
黒×紺2色使いのコットンストローヤーン編みレースは、
MIZENがオリジナルで作成したものを使用しています。

JLWP
レイヤードワイドパンツ/ レディス
LAYERD WIDE PANTS/ WOMEN

前身頃の着物が股下から後ろを通って再び前身頃に流れる構造で、
脚を2重に包むレイヤーと2重に締めたバックルがついた
太めのウエストベルトが特徴のワイドパンツ。
ボリュームのある生地が足の動きに合わせて大きく揺れる袴の様なシルエットで、
マニッシュな雰囲気のあるデザイン。外側のベルトにはオリジナルで作成した
レーステープを使用しています。

JCP01

円弧を描く形状の中に右前から背中にかけて一枚の着物が走るデザインで、
ニットと組み合わされることでフェミニンなシルエットが特徴。
袖部分がないため、着用の自由度も高い。
スポーティーなファスナーによる前開きによってカジュアルにも
エレガントにもスタイリングできる。

JSK03
KIMONO ニット アシンメトリックプリーツスカート
KIMONO KNIT ASYMMETRIC PLEATED SKIRT

プリーツな右身頃と着物とニットが自然に生み出す左身頃のひだが非対称なシルエットが特徴。
着用時の動きに合わせて異なる重さのパーツが各々揺れ奏でる
ボリューム感たっぷりのフェミニンなスカート。

ISHIGEYUKI TSUMUGI
オリジナルMIZEN BLUE 「勝」~SHO~

奥順株式会社 社長 奥澤順之氏より いしげ結城紬オリジナル柄について

まず浮かんだのが、和装には古くから縁起の良い柄を願いを込めて使われていた風習があるので、
和装で表現した柄はぴったりだと思いました。例えば七宝の柄は縁を繋ぐとか、
松は不老不死の象徴だったり、松葉に関しては夫婦円満の意味合いだったりします。

そこで結城紬の奥順が提案したのは矢羽根柄です。矢羽根には 破魔矢(魔を祓うの意味 )があるので、
お正月の縁起物として神社やお寺で販売されています。矢は真っ直ぐに飛んでいき、射った矢が戻ってこないことから目標に向かって引き返さず射止めるまで前進する力強さを柄自体がもっていると感じました。
また女性には、「出戻ってこない」と、 結婚の際の縁起物 になりました。
ここから 未婚の女性を象徴する模様になりました 。よく卒業袴のデザインで見かけたりするのは、その所以もあります。
また、矢には男の子が健やかで たくまく成長するようにとの願いが込められているこうしたことから、
端午の節句を祝う着物には弓矢や矢絣柄が入ったものもあります。

色には鉄紺が似合う色目として【鉄紺】に合う色のひとつに、【琥珀色(こはくいろ)】があります。
【琥珀色】は、透明感のある黄褐色のことです。
この色を加えることで鉄紺と琥珀色がそれぞれが、際立たせる効果を狙っています。
また少し紫を含んだ同系色の青を入れることで、矢羽根の前に向かって風を切って進んでいくスピード感を表現しています。

いしげ結城紬 ISHIGE YUKI TSUMUGI

石下結城紬は1000年以上の歴史が続く産地で、60年前に生まれたもうひとつの結城紬です。

下総国を流れる鬼怒川沿いには、古くから養蚕・織物の歴史があり、
結城紬 最大の特徴の真綿による上質な着心地が生まれます。

厳格に伝統と規律を守ってきた本場結城紬の物作りに対し、
石下結城紬はもっと手軽に真綿の着心地を楽しんでいただきたい想いで生まれた、
自由で様々な手法を組み合わせてつくられた、新しい結城紬です。

MIZEN

「余白を楽しむプロジェクト」
A Project to Interpret the Unseen

MIZENは 目に映る美しさの奥に広がる産地の風土や歴史 職人の技術 そして生き様といった『余白』こそが我々の作品の本質的な価値であると考えています。
現代のファッションは 瞬間的で視覚的な刺激が重視されるがあまり過度なスピードが求められています。
その加速された消費の世界では本来時間をかけて丁寧に仕上げられるべき手仕事が評価の舞台にすら立つことができません。
伝統技術の衰退は我々一人ひとりが無自覚に求めている『欲望の速度』によって引き起こされているのです。
だからこそ私たちはそのスピードを緩めたときに見えてくる新鮮で豊かな世界を作品を通じて提示したいと考えています。
MIZENが目指す道は現代の流れに逆行する 静的で悠然とした美の在り方への挑戦かもしれません。
しかし日本にはかつて「余白を楽しむ」という価値観が確かに存在していましたそれはものの奥に潜む物語や気配を自ら感じ取り想像し心を満たす行為であり日本人が長い歴史の中で培ってきた美意識でもあります。
私たちは 現代の人々が忘れかけているこの感性を日本各地に点在する伝統技術とともに再び呼び覚まし世界へと届けていきたいと考えています。
そしてその余白に自ら気づき 埋めていく過程に喜びや幸せを感じられることこそが物質的経済的なラグジュアリーとは異なる精神的な新たなラグジュアリーの在り方だと信じています。
MIZENは「余白を楽しむプロジェクト」として日本の伝統技術を「ブランド」として昇華させるために職人たちの手仕事とその奥に眠る物語を洋服という形にのせ新たなラグジュアリーの可能性を問い続けていきます。