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米沢織

YONEZAWA ORI

山形県 YAMAGATA PREF.

"米沢織" <山形県米沢市>

米沢織の産地である、山形県米沢市は、織物産地として、250年以上の歴史がある地域です。
また、米沢織には多様な特徴があり、その一つに紅花(べにばな)を使った染めがあります。

米沢織の織元であるよねざわ新田は、明治17年に創業し、
昭和38年3代目が紅花染(べにばなぞめ)を復興し、紅花紬(べにばなつむぎ)を発表。
5代目となる現在、紅花を育て、染から織りまで一貫した製作を行っており、
重ね染めなどの技術を用いて自然の恵みを含んだやさしい百色の色相を生み出します。

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紅花(べにばな)

紅花は豪雪地域の山形で、雪解けが進み晴を迎えた4月に種を蒔きます。 
7月2日半夏生(はんげしょう)前後に青々とした畑に黄色の花が一輪のみ顔を出します。
この開花期の事を「半夏の一つ咲き」といい、その後一斉に花が咲く、神秘的な光景がみられます。
花には棘(とげ)があり、朝露のおりている棘の柔らかい早朝から一輪ずつ咲き頃を確認してから摘みます。

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花寝せ(はなねせ)

黄色に咲きそろった紅花は、摘み頃を逃してしまうと黄色の花が赤色に変化してしまい
染料に向かない状態になってしまうため、丹念に一輪一輪摘みころを選び収穫していきます。

摘んだ紅花を染料にするため、黄水洗い(花を水で洗う工程)をおこない、花弁にキズをつけ、酸化させ、発酵を促します。
その後日陰にて十分に水分を与えながら3日程度おくことで、黄色の花が赤色に変化します。

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臼搗き(うすつき)

赤く発酵した、紅花を臼で搗く。
気温や湿度により変化し、粘り感と特有の香りを感じタイミングをみながら工程を進めます。

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紅花餅(べにばなもち)

潰した紅花を団子状にし、手の平で水分を抜きながら丸め潰し、煎餅状(せんべいじょう)にします。

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染色

紅花には、黄色の色素と赤の色素があります。
その色素抽出や染色は、他の植物染めと大きく異なります。
通常、色素抽出の際は煮出すなどの工程を行いますが、
紅花は黄色の色素は水に溶け出し、赤の色素はアルカリ性に溶け出します。

染色も米酢など酸性を加え中和し、時間をかけ繰り返し染めることによって、濃くしていきます。
また、他の色と重ね染めをすることで色に深みを出すなどの表現をしています。
長年の経験を生かし、手間や時間をかけて染め上げていくのです。

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