絹紐織 (リボン織)
RIBBON ORI
京都府 KYOTO PREF.
丹後絹織物1300年の歴史から生まれた絹紐織(リボン織)
手で絣染めを施し4mm幅で織り上げたシルクリボンテープを経(たて)・緯(よこ)方向に
織り込む多彩な色使いと特殊な素材使いが特徴の絹織物です。
綛(かせ)という輪の束状にしたリボンテープを手で回転させながら多色に染めていくことで、
隣り合う色同士の境界にグラデーションが生じ、設定以上の色の豊かさが現れるのが大きな特徴で、
手作業による工程が多い中、出来上がりはデジタルな見え方にも映る独特な素材です。
原料となるリボンテープを自社生産する背景を持つなど、ほとんどの工程が機械化されて
作られる洋装テキスタイルの中でも、手仕事の素晴らしさを感じられる大変稀少な存在です。
絹リボン糸
リボン織「絹紐織」は、絹リボン糸(4m/m巾に織り上げたテープ状の糸)を
経糸・緯糸に使用して、織り上げた創造工房糸あそびさんのオリジナル生地です。
絹リボン糸を経糸・緯糸共に使用して、双方がよじれることなく織り上げるのには
独自の技法や、技術が必要となります。
染め
手絣染の技法で、絹リボン糸を染め上げます。
「漬け絣」と呼ばれる技法で、始めに4~5色の配色を決めて
その色にあった染料を作ります。
束状にした糸を、決めた場所に染料を付けながら染めていきます。
基本的に、4色の色目を手染めで染め上げるため
色と色の境目ににじみが出来て、柔らかいグラデーションに染め上げることが特徴の一つです。
染めた後は、陰干しで干します。乾いたら絹リボン糸を一本一本アイロンでしわを伸ばします。
整経・織り
整経時に、糸同士が絡み合わないように、絹糸を砂の上に並べ、
一日置くことで自然に糸が湿気を含み、糸自身をリラックスさせます。
この工程は、多湿な土壌を活かした丹後の風土が生んだ技法です。
絹リボン織は、撚れないように独自の技法で整経します。
経糸に使用している絹リボン糸が撚れないように織り上げます。
手織りの場合は、生地巾は75cで一日2~3M織るのが精一杯です。
機械織りは、約100c巾で自動ではありますが、タテの絹リボン糸の撚れ防止のために
低速で織り上げますので、1日10~12Mの生産量となります。