MIZEN BLUE「勝」SHO 近江ちぢみ x ARLNATA

MIZEN COLLECTION Vo.1 MIZEN BLUE 「勝」~SHO~
MIZEN(ミゼン)は、『人と人とのつながりを感じられることこそがラグジュアリー』という理念のもと、
日本の伝統的技術を担う職人達が主役となるラグジュアリーブランドを築き上げるプロジェクト。
日本の伝統技術を現代のライフスタイルに合った形でデザインし、
日本のみならず全世界へ向けて提案することで、高度な技術を持った職人の地位向上、
そしてその産業の持続可能性を高めていくことを目指しています。
2023年8月は滋賀県の近江ちぢみと、元「Hermes」のデザイナーが高級紬などの反物から洋服をお仕立てする
ARLNATA〈アルルナータ〉とのコラボレーションをMIZENがプロデュース。
プロジェクトのために作成したオリジナル柄、
近江ちぢみ MIZEN BLUE 「勝」~SHO~「深遠」を使用して仕立てた洋服も発表致します。
COLLECTION

JSHB
ショートシャツブルゾン / レディス
SHORT SHIRT BLOUSON / WOMEN
折り返して着ることで袖口のアクセントに。
シャツ仕立てで短めの着丈が軽やかな印象のデザインで、
一枚でもアウターとしても着用可能。
JWPT
ワイドパンツ / レディス
WIDE TROUSERS / WOMEN
裾の折り返しのデザインや膝上丈の裏地により
透け感のあるちぢみ生地ならではの濃淡が生まれた、遊びのある一着。
ウエストベルトには左右で段差を付けた切替えに
色違いの飾りステッチを入れ、アクセントに。


MCS
一見クラシックな外観ながら、前ボタンの位置、
背中の切り替え、袖開き、ステッチワークなど
細部にMIZEN的提案が散りばめられたシャツ。
JSHG
スラッシュジレ / レディス
SLASH SLEEVELESS GILET / WOMEN
着尺巾を活かしながら右前身頃~後身頃~左前身頃まで一枚裁ちされた
帯状のパターンを隣合わせで配した構造が特徴のジレ。
それぞれの裾パターンを垂直にカットすることで角が鋭角となり、
シャープで攻撃的な印象を持たせた。また肩傾斜を利用することで
生まれる背中のスラッシュラインには、
MIZENオリジナルのレース編みテープを配した。

OHMI CHIJIMI
オリジナルMIZEN BLUE 「勝」~SHO~
近江ちぢみ 川口織物
反物名「深遠」

織物を作るためには湿潤な気候が必要で、特に乾燥に弱く糸の切れ易い麻は尚更である。
近江地方には琵琶湖があり、盆地という地形も相まって適度な湿度が保たれていることから麻織物の産地となった。
今回の織物は、静かに波立真っ暗闇の湖面に時折映る、月明かりか町の灯りか、細やかな光を受ける水面の揺らぎを、
テーマカラーの鉄紺色と麻のちぢみ織物の特徴である表面の凹凸が生み出す光沢感で表現した。


近江ちぢみ OHMI CHIJIMI
滋賀県の湖東地方は、室町時代より近江上布をはじめとする麻織物の生産を行い、江戸時代には彦根藩の保護のもと、
将軍家への献上品にもなるほど、日本でも有数の産地として栄えてきました。
近江盆地の潤いある気候風土で織り上げられた麻織物を仕上げる加工の要が「ちぢみ加工」です。
近江ちぢみは職人が生地を揉みこむ 唯一の仕上げ技法にて、独自の凹凸形状の「しぼ」を表現し、
近江ちぢみの清涼感を演出しています。
MIZEN
「余白を楽しむプロジェクト」
A Project to Interpret the Unseen
MIZENは 目に映る美しさの奥に広がる産地の風土や歴史 職人の技術 そして生き様といった『余白』こそが我々の作品の本質的な価値であると考えています。
現代のファッションは 瞬間的で視覚的な刺激が重視されるがあまり過度なスピードが求められています。
その加速された消費の世界では本来時間をかけて丁寧に仕上げられるべき手仕事が評価の舞台にすら立つことができません。
伝統技術の衰退は我々一人ひとりが無自覚に求めている『欲望の速度』によって引き起こされているのです。
だからこそ私たちはそのスピードを緩めたときに見えてくる新鮮で豊かな世界を作品を通じて提示したいと考えています。
MIZENが目指す道は現代の流れに逆行する 静的で悠然とした美の在り方への挑戦かもしれません。
しかし日本にはかつて「余白を楽しむ」という価値観が確かに存在していましたそれはものの奥に潜む物語や気配を自ら感じ取り想像し心を満たす行為であり日本人が長い歴史の中で培ってきた美意識でもあります。
私たちは 現代の人々が忘れかけているこの感性を日本各地に点在する伝統技術とともに再び呼び覚まし世界へと届けていきたいと考えています。
そしてその余白に自ら気づき 埋めていく過程に喜びや幸せを感じられることこそが物質的経済的なラグジュアリーとは異なる精神的な新たなラグジュアリーの在り方だと信じています。
MIZENは「余白を楽しむプロジェクト」として日本の伝統技術を「ブランド」として昇華させるために職人たちの手仕事とその奥に眠る物語を洋服という形にのせ新たなラグジュアリーの可能性を問い続けていきます。