2027 S/S
"WHAT 38CM TELLS"
着物は型が決まっており、その生地巾は全国で統一されている
38cm─それは一般的な洋服地の約4分の1
その狭さは、ファッションデザイナーにとって大きな制限となるはずだった
それでも、MIZENが着物という存在にこだわり続ける理由がある
それは"デザイナー"と"職人"との関係性
ファッションの世界では、デザイナーの意匠が主役となり、職人の技はそれを支える存在
一方、着物の世界では、職人の技を起点とした美しさこそが、評価の中心に据えられる
素材としての着物ではなく、職人が置かれた関係性そのものを、ファッションに纏わせたい
技術は主役になり得ないのだろうか
ファッションと着物、二つの世界は、交わることがないのだろうか
”Loose Lock(ルーズロック)”
少し前まで着物素材で作ることにこだわっていた。それがMIZENらしさだと思っていたから。
だが、3月のFashion Weekを機に考えが変わった。
着物で洋服を作ることだけがMIZENなのだろうか。
いや、着物の価値観を纏ったファッションのあり方を創り上げることがMIZENの最大の目標だった。
そして、自らかけていた重い足枷から解放される。
着物から最も遠い素材でMIZENらしさを表現しよう。
本来オーバーロックは、生地の裏で見えないように縫い代を始末する技術だ。
それを地縫いとして使い、ミシン糸も絣染めにする。
一針ごとに色が移ろう、曖昧さを纏った縫い目が生まれる。
隠す技術を、魅せる技術に。着物と同じく、技が主役になるファッション誕生の瞬間だった。
こうして着物地以外のための仕様として、"Loose Lock(ルーズロック)"がうまれた。
少し前まで着物素材で作ることにこだわっていた。それがMIZENらしさだと思っていたから。
だが、3月のFashion Weekを機に考えが変わった。
着物で洋服を作ることだけがMIZENなのだろうか。
いや、着物の価値観を纏ったファッションのあり方を創り上げることがMIZENの最大の目標だった。
そして、自らかけていた重い足枷から解放される。
着物から最も遠い素材でMIZENらしさを表現しよう。
本来オーバーロックは、生地の裏で見えないように縫い代を始末する技術だ。
それを地縫いとして使い、ミシン糸も絣染めにする。
一針ごとに色が移ろう、曖昧さを纏った縫い目が生まれる。
隠す技術を、魅せる技術に。着物と同じく、技が主役になるファッション誕生の瞬間だった。
こうして着物地以外のための仕様として、"Loose Lock(ルーズロック)"がうまれた。
”Loose Lock(ルーズロック)”
少し前まで着物素材で作ることにこだわっていた。それがMIZENらしさだと思っていたから。
だが、3月のFashion Weekを機に考えが変わった。
着物で洋服を作ることだけがMIZENなのだろうか。
いや、着物の価値観を纏ったファッションのあり方を創り上げることがMIZENの最大の目標だった。
そして、自らかけていた重い足枷から解放される。
着物から最も遠い素材でMIZENらしさを表現しよう。
本来オーバーロックは、生地の裏で見えないように縫い代を始末する技術だ。
それを地縫いとして使い、ミシン糸も絣染めにする。
一針ごとに色が移ろう、曖昧さを纏った縫い目が生まれる。
隠す技術を、魅せる技術に。着物と同じく、技が主役になるファッション誕生の瞬間だった。
こうして着物地以外のための仕様として、"Loose Lock(ルーズロック)"がうまれた。
少し前まで着物素材で作ることにこだわっていた。それがMIZENらしさだと思っていたから。
だが、3月のFashion Weekを機に考えが変わった。
着物で洋服を作ることだけがMIZENなのだろうか。
いや、着物の価値観を纏ったファッションのあり方を創り上げることがMIZENの最大の目標だった。
そして、自らかけていた重い足枷から解放される。
着物から最も遠い素材でMIZENらしさを表現しよう。
本来オーバーロックは、生地の裏で見えないように縫い代を始末する技術だ。
それを地縫いとして使い、ミシン糸も絣染めにする。
一針ごとに色が移ろう、曖昧さを纏った縫い目が生まれる。
隠す技術を、魅せる技術に。着物と同じく、技が主役になるファッション誕生の瞬間だった。
こうして着物地以外のための仕様として、"Loose Lock(ルーズロック)"がうまれた。
”MIZENでパジャマを作ったら?”
そんな話がアトリエで飛び出した。
いつもお堅い服が多いMIZENで、とびっきりそこから離れたものを作ってみたら?
可愛らしい「昇り鯉」柄の入った久留米絣は、パジャマのセットアップに特にちょうど良さそうだ。
でも、どこかにMIZENらしさを表現したい。
外でも着用できるようなデザインにしたい。
そんなこんなでできあがったスタイルだ。
そんな話がアトリエで飛び出した。
いつもお堅い服が多いMIZENで、とびっきりそこから離れたものを作ってみたら?
可愛らしい「昇り鯉」柄の入った久留米絣は、パジャマのセットアップに特にちょうど良さそうだ。
でも、どこかにMIZENらしさを表現したい。
外でも着用できるようなデザインにしたい。
そんなこんなでできあがったスタイルだ。
”らしさ”
シャツらしさって、どこからくるのだろう。
折伏せの縫い目、台衿と上衿に別れている衿、小さめのボタンとホールが並んだ前立て 胸ポケット ヨーク 後身頃の運動量を確保するためのタック カフス 剣ボロ空き、、、
一般的なシャツの構造は、縦横の縫い目の上で成り立っている。
では、”スラッシュ”だったらどうしようか?
シャツらしさって、どこからくるのだろう。
折伏せの縫い目、台衿と上衿に別れている衿、小さめのボタンとホールが並んだ前立て 胸ポケット ヨーク 後身頃の運動量を確保するためのタック カフス 剣ボロ空き、、、
一般的なシャツの構造は、縦横の縫い目の上で成り立っている。
では、”スラッシュ”だったらどうしようか?
"生地端の軌跡"
着物の巾はわずか38cm、一般的な洋服地の、およそ1/4しかない。
これほど細く直線性の高い着物地では、生地の端の"耳"が、その存在を主張する。
広巾の生地なら意識されることのない部分が、主役になる。
背中の斜めのラインは、最初から意図したデザインではない。
着物の直線性を保ったまま体に纏わせた結果、自然と生まれた軌跡だ。
ファスナーは、その生地端の軌跡をなぞるように配置した。
デザインが、必ずしも最初にあるものではない。
生地の耳に、耳を澄ませた先に生まれた1着である。
着物の巾はわずか38cm、一般的な洋服地の、およそ1/4しかない。
これほど細く直線性の高い着物地では、生地の端の"耳"が、その存在を主張する。
広巾の生地なら意識されることのない部分が、主役になる。
背中の斜めのラインは、最初から意図したデザインではない。
着物の直線性を保ったまま体に纏わせた結果、自然と生まれた軌跡だ。
ファスナーは、その生地端の軌跡をなぞるように配置した。
デザインが、必ずしも最初にあるものではない。
生地の耳に、耳を澄ませた先に生まれた1着である。
"予期せぬ直線の行方"
slashシリーズと同じ系譜の1着。
slashは右前身頃からスタートしたのに対し、こちらは背中から始まった。
背中には、「昇」のテーマに合わせて夏らしく明るい色を選んだこぎん刺しが入る。
そこから着物の"耳"を左右に流し、その結果の線をそのまま受け入れる。この手法は変わらない。
ただ、袖への線の入り方だけに不安がつきまとっていた。
人の体に直線はない。特に身頃と袖は異なる曲線でつながっているため、背中の水平線の入る角度がわずかに変わるだけで、結果は大きく変わる。
それでも、結果は予想以上に綺麗に収まった。
衿にも水平のカットを入れ、衿回りのスタイリングの可能性を広げた。
総じて、今シーズン最もお気に入りモデルの一つである。
slashシリーズと同じ系譜の1着。
slashは右前身頃からスタートしたのに対し、こちらは背中から始まった。
背中には、「昇」のテーマに合わせて夏らしく明るい色を選んだこぎん刺しが入る。
そこから着物の"耳"を左右に流し、その結果の線をそのまま受け入れる。この手法は変わらない。
ただ、袖への線の入り方だけに不安がつきまとっていた。
人の体に直線はない。特に身頃と袖は異なる曲線でつながっているため、背中の水平線の入る角度がわずかに変わるだけで、結果は大きく変わる。
それでも、結果は予想以上に綺麗に収まった。
衿にも水平のカットを入れ、衿回りのスタイリングの可能性を広げた。
総じて、今シーズン最もお気に入りモデルの一つである。
"ギャップを楽しむ"
着物地というのは、どこか高級で、かしこまった素材のイメージがある。
南風原花織は特にそのような存在だろう。
だからこそ、あえてスポーティでミリタリーなものを作ってみたかった。
そのきっかけは、”horizon”の、背中を一直線に走るカットの構造だった。
その線をあえてジップで強調してみると、一気にミリタリーの気配を帯びていく。
ならば、いっそMIZENとして初めてになるフードもつけてしまおう。
着物とパーカー。
このかけ離れた二つをまたぐ楽しさもまた、着物を用いた創作の中に間違いなくある。
ちなみに、背中のジップはスライダーを4つ持ち、2箇所を自由に開閉できる、長さ約135cmの完全特注品だ。
着物地というのは、どこか高級で、かしこまった素材のイメージがある。
南風原花織は特にそのような存在だろう。
だからこそ、あえてスポーティでミリタリーなものを作ってみたかった。
そのきっかけは、”horizon”の、背中を一直線に走るカットの構造だった。
その線をあえてジップで強調してみると、一気にミリタリーの気配を帯びていく。
ならば、いっそMIZENとして初めてになるフードもつけてしまおう。
着物とパーカー。
このかけ離れた二つをまたぐ楽しさもまた、着物を用いた創作の中に間違いなくある。
ちなみに、背中のジップはスライダーを4つ持ち、2箇所を自由に開閉できる、長さ約135cmの完全特注品だ。
"立涌柄(たてわくがら)"
今季のテキスタイルのテーマのひとつに、立涌柄がある。
同じ曲線を半分ずつずらして横に並べたシンプルな柄だが、曲線に沿ってカットすると隣り合うパーツは全く同じ形になる。
つまり色違いの生地を交互につなげても柄がずれず、無駄なく幅を広げていける。
そこでオリジナルの2色の近江ちぢみをこの柄にカットし、
交互につなぎ合わせてトップスの生地をつくった。
薄く滑脱(スリップ)しやすい生地も、重ねてつなぐことで強度が増し、一石二鳥だ。
単調になりがちな着物地に、ひと技を加え新しい価値を生む。
これもまたMIZENらしいものづくりと言えるだろう。
今季のテキスタイルのテーマのひとつに、立涌柄がある。
同じ曲線を半分ずつずらして横に並べたシンプルな柄だが、曲線に沿ってカットすると隣り合うパーツは全く同じ形になる。
つまり色違いの生地を交互につなげても柄がずれず、無駄なく幅を広げていける。
そこでオリジナルの2色の近江ちぢみをこの柄にカットし、
交互につなぎ合わせてトップスの生地をつくった。
薄く滑脱(スリップ)しやすい生地も、重ねてつなぐことで強度が増し、一石二鳥だ。
単調になりがちな着物地に、ひと技を加え新しい価値を生む。
これもまたMIZENらしいものづくりと言えるだろう。
余白を楽しむ ─The Story Behind─